ついにサンプル完成。母として、ずっと作りたかった まほうのもちかたぺん が形になりました
こんにちは、ベビスタ!です。
今日は、ずっと応援してくださっている皆さまに、どうしてもお伝えしたいご報告があります。
「まほうのもちかたぺん」のサンプルが、ついに完成しました。

この一言を書くまでに、思っていた以上に長い時間がかかりました。
でも今は、ただ「できました」とお伝えするだけでは足りない気がしています。
なぜこのペンを作ろうと思ったのか。
なぜ、ここまで時間もお金も手間もかけて、それでも作りたかったのか。
今日は、ひとりの開発者としてではなく、ひとりの母親としての気持ちを、できるだけそのまま書いてみたいと思います。
娘に何度伝えても、うまく伝わらなかったこと
このペンの開発は、娘に
「鉛筆を持つ指は親指・人差し指・中指だけだよ」
と何度言っても、なかなか伝わらなかったことから始まりました。
きっと、同じような経験をされたことのある方も多いのではないでしょうか。
親としては、良かれと思って伝えているんです。
「今のうちに正しい持ち方を覚えてほしい」
「あとから直すのは大変そうだから、今のうちに…」
そんな気持ちで、やさしく言ってみたり、もう一度説明してみたり、時には少し強めに言ってしまったり。
でも、言えば言うほど、子どもはわからなくなってしまう。
親のほうも、「どう伝えたらいいの?」と苦しくなる。
私自身、その繰り返しでした。
大人にとっては当たり前のことでも、子どもにとっては、言葉だけでは理解しにくいことがあります。
だったら、言葉で教えることに頼らずに、握るだけで自然と正しい持ち方に近づけるようなペンがあればいいのではないか。
そう思ったのが、この開発の出発点でした。
「できない」のではなく、まだ“体でわかっていない”だけかもしれない
子どもが鉛筆をうまく持てないとき、つい
「どうしてできないの?」
と思ってしまいそうになることがあります。
でも、本当はそうではなくて、
まだ体の使い方としてわかっていないだけなのかもしれない。
私はそう思うようになりました。
だから「まほうのもちかたぺん」は、
正しい持ち方を“注意して直す道具”ではなく、
自然とそう持ちたくなる形を目指して作ってきました。
言葉で何度も教え込むのではなく、
子どもの手が「あ、こう持つと持ちやすいんだ」と感じられること。
母親が何度も口うるさく言わなくても、少しずつ体で覚えていけること。
そんな世界が作れたら、親子の時間はもっとやさしくなるのではないかと思ったのです。
まほうのドリルシリーズと一緒に、『何度もやってみたくなる』仕組みを作りたかった
さらにこのペンは、ミゾをなぞる・文字が消える「まほうのドリルシリーズ」と組み合わせることで、何度も反復練習することができ、運筆そのものも自然に身につけていく構想です。
私は、子どもの練習にとっていちばん大切なのは、
「一回でできること」ではなく、
“もう一回やってみようかな”と思えることだと思っています。
大人でも、うまくいかないことを何度もやるのはつらいですよね。
それが小さな子どもなら、なおさらです。
だからこそ、ただ「正しく書く」ことを求めるのではなく、
ミゾをなぞることで手の動きを感じられたり、文字が消えることで面白さがあったり、
子どもが自分から繰り返したくなる仕掛けを大切にしたいと思いました。
「練習しなさい」ではなく、
「なんだかこれ、もう一回やりたい」
そう感じてもらえるものにしたかったのです。
作ると決めてから、1年以上かかりました
ここまで来るのは、本当に簡単ではありませんでした。
ペンを一から開発するというのは、想像していた以上に、
労力も、時間も、費用もかかることでした。
私がこの開発に取り組み始めてから、すでに1年以上が経っています。
形状は何度も見直しました。
「これで本当に持ちやすいのか」
「この角度でいいのか」
「子どもの指に負担はないか」
そんなことを、何度も何度も考え続けてきました。
実際に、形状検討では15回以上のプロトタイプを重ね、人間工学の専門家の監修も受けながら、子どもの手に合う形を探ってきました。
やり取りを重ねてきたのは、国内老舗ペンメーカーです。
親指のミゾの長さ、中指の角度、フィット感、キャップの形状、左利き用への対応まで、細かなところを一つひとつ調整してきました。試作の中では「前回より格段にフィット感が増した」と感じられる前進もあり、少しずつ、理想に近づいていきました。
金型も作りました。不安がないわけではありません
さらに今回は、金型も作成しました。
つまり、「ちょっと試しに作ってみた」というレベルではなく、かなり大きな初期投資をして、ここまで進めてきたということです。
正直に言うと、
売れ残ったらどうしよう
という不安は、今もあります。
母として「これがあったら救われる」と思っても、
それが本当に多くの方に必要としてもらえるのか。
ちゃんと届くのか。
手に取ってもらえるのか。
考えれば考えるほど、怖くなることもありました。
でも、それでもここまで来たのは、
品質に一切妥協せず、有効だと思うものはすべて取り入れてきたからです。
時間もかかりました。
費用もかかりました。
悩んだことも、迷ったことも何度もありました。
それでも、「これなら自信を持って届けられる」と思えるところまで、どうしても持っていきたかった。
ただの商品ではなく、親子の困りごとに、本気で向き合ったものとして世に出したかったのです。
そして今回、ついにサンプルが完成しました
2026年5月、試作品が無事に手元に届き、実物を確認することができました。
細かな改善点は量産時に反映予定ですが、全体としては“いよいよここまで来た”と感じられる完成度でした。
箱を開けて、実際に形になったペンを見たとき、
うれしい気持ちと、ほっとした気持ちと、ここからだという気持ちと、いろいろな感情が一気に押し寄せました。
「本当にここまで来たんだ」
そう思ったら、少し泣きそうになりました。
前回までのブログでは、カラーや形状、ドリルの考え方、アワードへの挑戦などを少しずつお伝えしてきました。
でも今回は、それらが構想ではなく、現実の“サンプル”として目の前にある。
この違いは、私の中ではとても大きいです。
キッズデザイン賞、そして グッドデザイン賞へ
この商品は、母親の「こうだったらいいのに」という気持ちだけで作ってきたわけではありません。
それだけでは、やっぱり足りないと思っていました。
大切な子どもに使うものだからこそ、
「想いがある」だけではなく、
きちんと考えられていること、設計に理由があること、外から見ても信頼できることが必要だと思っています。
その思いで、キッズデザイン賞への挑戦を進めてきました。
そして今回はさらに、グッドデザイン賞への応募も完了しました。
応募資料では、「言葉による矯正に頼らず、身体感覚を通じて自然に学べること」「ペンとドリルを組み合わせ、家庭でも続けやすい学習体験を目指していること」など、これまで積み上げてきた考え方を整理しています。
母の願いから始まったものが、少しずつ社会に向けて伝えられる形になってきたこと。
それもまた、今回の大きな一歩だと感じています。
このペンを、本当に届けたいのはこんなご家庭です
「何度言っても、持ち方が安定しない」
「練習のたびに、親子で疲れてしまう」
「書くことに苦手意識を持つ前に、なんとかしてあげたい」
そんなふうに感じているご家庭に、私はこのペンを届けたいです。
鉛筆の持ち方は、小さなことに見えるかもしれません。
でも毎日のことだからこそ、親にとっては気になるし、子どもにとっては積み重なっていくものでもあります。
だから私は、
「正しく持ちなさい」と言われ続ける時間ではなく、
「なんだか書きやすい」「できたかも」と感じられる時間を増やしたいと思っています。
まほうのもちかたぺんは、ただ持ち方を矯正するための道具ではなく、
子どもが自信を持つきっかけになってほしい。
そして、親御さんにとっても、少し肩の力を抜ける存在になってほしい。
そんな思いで作ってきました。